こんにちは。
冬くらいから黄色いベスト運動(ジレジョーヌ運動)に脅かされたフランスですが、もう、この運動は4ヶ月目に入りました。いつまで続くのかとパリ市内でもみんな呆れ果てています。
最近は、少し人数減り、規模も小さくなってきた様子だったので、落ちついて来たかなと思っていたのすが、また3月16日(土)に悪化してしまいました。
大型連休にフランス旅行を企画されてる方は心配な人もいらっしゃると思うので、「黄色いベスト運動|旅行は大丈夫?パリの治安を現地からレポート」と題し、この黄色いベスト運動の最近の状況や旅行中の注意事項についてレポートしようと思います。
黄色いベスト|ジレジョーヌ運動の由来
ジレジョーヌの意味は、フランス語で「gilets jaunes」と書きますが、黄色のジャケットの意味です。
このベスト、フランスでは、車を所持している人は必ず車に積んでおくように義務づけられています。車を運転中にパンクや故障した時に、自分で応急処置をする場合は、この黄色い蛍光色のベストを着用して道路に出なければいけません。つまり、他の車の視界に入る為、事故を防ぐための安全対策用ベストです。
ですので、車を持っている人達は必ず、このベストを持っているのです。価格は数百円からあるので、誰でも手に入れる事が出来ます。
「黄色いベスト運動」とは、マクロン政権に抗議を行ってデモを行う人々が、この黄色を着用していることから名付けられました。
黄色いベスト|ジレジョーヌはどんな人達?
ニュースでは、このジレジョーヌの過激派ばかりがとりあげられて、「破壊者」というように報道されていることが多いですが、実際は、過激派は一部のみ。ジレジョーヌの多くは、ただ、道を行進してデモを行っているだけです。
黄色いベスト運動は、もともと、地方出身の人達(車生活の人達)がマクロン政府が発表した2019年からの燃料税の廃止を求めたことから始まりました。スローガンは、「2019年から始まる燃料税を廃止しろ!」ということでした。
地方では、日本や他の国同様、公共交通機関が発達していない所も多く、車生活が必須です。このことから、燃料税が上がると彼らの生活に響きます。また、ジレジョーヌの多くは貧困層の人達です。大都市の中心部は、家賃が高いため、貧困層の人達は郊外に行かざるを得ず、結果、仕事や生活に車が必要となっています。
2019年3月の黄色いベスト運動の状況
昨年の11月からはじまった、この黄色いベスト運動は4ヶ月目に入りました。毎週土曜日に繰り返しデモが行われているのですが、最近は参加人数も減り、デモは落ちついてきたのかな。と思っておいました。
しかしながら、3月16日(土)マクロン夫妻が休暇中の土曜日、この日を狙ってかどうかは定かではないのですが、また、デモが過激化してしまいました。
シャンゼリゼ通り沿いの銀行や老舗カフェ、高級部ディックが相次いで放火・破壊・略奪の被害にあい、フランスメディアによるとパリだけで240名以上が警察により拘束されました。
Yellow Vestiges: Inside the Riots of March 16
How the #GiletsJaunes movement outlasted efforts by police to crush it by force, by politicians to co-opt it into fruitless dialogue, by “leaders” to pacify it, by fascists to use it as a recruiting platform.https://t.co/NsKo3hBF7G pic.twitter.com/RkKSZL4L9N
— CrimethInc. (@crimethinc) March 22, 2019
このツイッターの写真だけ見ると、本当にひどいですね。。。
ちなみに余談ですが、ツイッター上では、マクロン夫妻が休暇中だったことから、アイロニーな画像が飛び交いました。マクロン夫妻は、急遽、休暇を切り上げてパリにも戻ってこられたようです。
Surrealism in French art.
Presented without comments.#MacronDemission #GiletsJaunes pic.twitter.com/T5gKXYK9vF
— The Chiefe (@the_chiefe71) March 18, 2019
3月16日のデモ以来、シャンゼリゼ通りでのデモは禁止されました。とはいえ、デモは国民の自由である為、デモ自体を禁止することはできません。翌週の23日はシャンゼリゼ以外のところでたくさんの警察が待機していました。
パリの治安状況と旅行時の注意点
この状況だけ聞くと、フランスの旅行を懸念される方も多いかと思います。ですが、このデモ自体、行われる日は毎週土曜日と決まっている為、その他の曜日にデモによる被害があることはありません。
旅行者が、土曜日に注意しなければ行けない点は、黄色いベスト運動が行われている場所には極力近づかない方がいいということです。実際にはデモの中に入って行かない限り、巻き込まれることは少ないですが、デモ参加者は警察に物を投げつけたり、警察は催涙がスや放水など、大規模におよびふりまくので、近くにいると、特にガスを吸ってしまう可能性はあります。
シャンゼリゼ沿いのデモは禁止されましたが、現在は、どこで行われるかは毎週、その日の朝にならないと分かりません。対策としては、朝のニュースをチェックするということと、メトロが止まらない駅には近づかない!ということです。パリのメトロはデモが開催される界隈の駅に停車しません。それも前日または当日の朝に随時発表されます。
まとめ
今日は黄色いベスト運動とパリの治安状況をレポートしました。
旅行の際は、不安なこともあるかと思いますが、黄色いベスト運動のデモは土曜日のみです!!また、デモに近づかなければ巻き込まれることはありません!
ただし、メトロや観光地などでは、スリが頻繁に起こっていますので、こちらも十分に注意してくださいね。
今日も最後まで読んでいただきましてありがとうございました。
あ・びあんと!